六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



「それで、妹をどうしようと?」


留衣さんは、警戒心をむき出しにする。


「んーと、一緒に来てもらおうと思ってたんやけど……

伊奈が断られたのに、僕らなんかますます無理やろ?」


「……うん……」


戦いの後に聞いてほしい話って、この事だったんだ。


納得したら、一緒にイギリスに来てほしいと彼は言った。


しかしそれでは伊奈と同じ。


あたしの力で平和な世が来る?


それまでに、どれだけの血が流されるの?


やはり、承知するわけにはいかなかった。


「ごめんね、行けない……」


「うん、だろーと思ってた。

大丈夫や、そんな顔せんでも」


うつむいたあたしの頭を、オーリィはポンポンと叩いた。


「じゃあ、イギリスに一人で帰るの?」


清良が聞く。


「うんにゃ」


オーリィがのほほんと答える。