六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



はい?有名?


そんなわけない。

あたしは最近まで、田舎の普通の女子高生だったんだ。


「【夢見姫】の伝説が、外国にまで知れ渡っているという事か……」


瑛さんが深刻な声を出した。


「そんな心配せんでもええって。

多分テロリストと呼ばれる団体で、

【夢見姫】を知ってるのは僕らだけや」


オーリィはからからと笑う。


「僕の特殊能力、見たやろ?


SCSはそんなやつらの集まりや。


銃器や火器には、たまにしか頼らへん。


んで、ある日、たまたま

『日本でスピリチュアルとか流行ってるらしいで』

って聞いてな。


ほんなら、どれだけ本物の能力者がおるんか、いっちょ見てくるかーって、

旅行に行ったわけや」


オーリィの話は、まるで世間話のようで……緊張感がない。


「その間の調べで、たまたま【夢見姫】の存在を知ったんや。

日本の能力者の中では、めちゃくちゃ有名やでって」