六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



「じゃあ、瑛さんは任務完了で、村に帰るんですね?」


太一がやけに明るい声を出す。


「ああ、そうだな。
やっと帰れる……」



もううんざり、というような声を出した瑛さんに、

あたしの胸はチクリと痛んだ。


そりゃ、口が裂けても『寂しいなあ』なんて言わない人だけどさ。


そんなあっさりかぁ……。


「いやいやちょっと待ってくれ、瑛。

まだ夢見姫のそばには、危険がある」


「は?」


「ほら、そこに」


「ん?あ、僕かいな」


留衣さんが指差した先には、

和菓子を片っ端から口に入れていたオーリィがいた。


「スゴイなー、和菓子。

beautiful、しかも美味しい」


「ごまかさないで。

キミは何者なんだい?」


留衣さんの圧倒的な威圧感に、

オーリィはお菓子を置いて座りなおした。


「しゃあないな。

まぁ、伊奈との戦いが終わったら、話すつもりやったし、ええか」