「遺体は見つからない、
かといってどこかの病院へ行ったとか、生きて生活をした痕跡も見つからない。
もしかしたら、あの政党がすぐに遺体を隠してしまっただけなのかもしれないけどね。
警察に見つかったら、何かと面倒だろうから」
瑛さんは両腕を組んで、難しい顔をしてしまった。
「そうかもしれませんね。
戸籍もない謎の一族出身の遺体が見つかれば、
何故そんな人間がいたのか、面倒くさい説明をしなければなりませんから」
「わお。何か、自虐的ね」
「実際、仕事の途中で村の外で死んだ奴らは、
そうやってこっそり埋められるか、流されるかしているからな。
たまに、身元不明遺体として発見されてしまうが」
「うわー……」
想像してしまったのか、清良まで顔を歪めた。
「とにかく、伊奈は生きていたとしても、
しばらくは表の世界には出てこられないだろう。
ご苦労様、皆」
留衣さんが二コリと笑うと、
太一と清良がえへへ、と照れ笑いした。



