「まりあは瑛にホレてしまってるからな。

今は何しても無理やで」


「……そんな……」


あ、バレてる。

まりあたん、皆にバレてるよ。


「……でもな。

あの二人は、あれ以上にはなられへん」


「えっ?」


「あの二人が袂(たもと)を別つときは、そう遠くないで。

その時が僕達のチャンスや」


えっ?


とぅたんとまりあたんが……なんて?


「あの二人は絶対、結ばれへん。

……まりあは傷つくやろうな……」


「何か知ってるんですか?」


「ん?ただの勘や、勘」


ははは、と金髪兄たんは笑った。


太一兄たんは、納得いかないような表情。


「ま、だから、お前さんにも僕にも、

全く望みがないわけやないから。

そんな死にそうな顔するなって、な?」


「してませんよ!!」


太一兄たんは怒ったのか、大きな声を出して。


金髪兄たんを置いて、どこかへ行ってしまった。