アキラとぅ(父)たんと、まりあたんが、構ってくれないから。


ボクは勝手に部屋を出てきちゃった。


そうしなきゃ、またとぅたんの手をカプッと噛んじゃいそうだから。


とぅたんのバカ。

まりあたんをいつもいじめて、悪いやつ。


ボクはまりあたんが大好きだから、本当はとぅたんと二人にはしたくない。


けど、まりあたんはとぅたんと二人がいいみたい。


何でかなー、とぅたん意地悪なのに。




てこてこと歩いて行くと、すぐそこの角に人影が見えた。


ボクは気配を消して、近づく。


誰かなぁ……。


「……あれは、あかんな」


「……オーランドさん、やっぱり俺……」


「やめとき。

二人きりにしたお前の負けや」


「だって我慢の限界だったんすよぉ」


あ、金髪兄たんと太一兄たんだ。


何話してるのかなぁ。


ボクは聞き耳を立てる。