「……あれ、瑛さんだけの力じゃないんですか?」


「違う。

明らかにあの炎には、お前の気が紛れ込んでいた」


「……そうですか……

あはは、成功してたんだ」


もう最後は『お願い!』とかで、

全く具体的なイメージをしなかったから、

あれは瑛さんだけの力だと思ってた。


「お前には、驚かされてばかりいる」


「そ、そうですか?」


「あぁ、あれだけ実戦に強いとは思わなかった。

……よくやったな」



……幻覚かと思った。



瑛さんの綺麗な手が、あたしの頭をなでたんだ。



にこりと、笑いながら――。