「あっまりあ!

気づいたんだね、良かった~!」


突然ふすまが開いたと思うと、清良が抱きついてきた。


「あたし達、帰ってきたんだよ!」


「清良……

良かったぁ、無事で……」


「アンタのおかげ!

太一も無事だよ!

今は瑛に付き添ってる」


ドクン、と胸が鳴った。


「瑛さん……無事なの?」


「しぶといよねー、もー死んだかなーと思ったのに。

意外と丈夫でさ、包帯ぐるぐるだけど命には何の心配もないよ。

寝てれば治るって」


「そ、そうなんだ……」


「…………」


安堵のため息をつくと、オーリィと清良の二人が、あたしの顔をのぞきこむ。


「な、なに……?」


「……そんなに心配なら、会いに行けば?」


「なぁ。

伊奈はどうなったとか、どうやって帰ってきたかとか、

聞く事は他にいっぱいあるはずやのに。

まずオトコの心配やもんなぁ、あーおもろないわ」