「ところで、こんなところに何をしにきたんだ」
「あっ、そうだ。
留衣さんがお茶にしようって」
「マジで?
やった、水分補給だー♪」
のんきな姉弟を見て、瑛さんは呆れた顔をする。
そして一瞬、その眉が歪んだ。
「……何だ……?」
「どうかしました?」
「……いや……。
一瞬、違和感が……気のせいか……」
瑛さんは首をかしげた。
「気のせいですよ。
じゃあ清良も呼んでくるから、太一と瑛さんは先に行ってて」
「……瑛さんと……?」
「太一とか……?」
何、その嫌そうな顔。
太一はともかく、瑛さんまで。
「じゃあ……一緒に行きましょうか」
二人はうなずいて、一緒に道場へと歩きだした。



