さて、誰から探そうかな。
少し迷うと、またアキちゃんがあたしの前を歩いていく。
その頭は、お屋敷の裏の森に向いている。
「……アキちゃんまで気をつかってるの?」
あたしの言葉が聞こえているのか、いないのか。
アキちゃんは颯爽と森に入っていく。
あたしはその後をついていった。
すると、少し森に入ったところで、物音が聞こえた。
金属がぶつかりあうような音……。
アキちゃんの後をついていくと、だんだんその音が近づいてきた。
「あっ!」
少し開けた空間に出たと思ったら、そこには意外に二人の人物がいた。
「瑛さん……と、太一……!」
二人はにらみあい、先に太一がお札を取り出した。
すると少し遅れて瑛さんの手から苦無が放たれる!
「太一!」
太一は前のようなミニ結界ではなく、
何十枚ものお札で苦無を防いだ。
跳ね返された苦無は、太一の足下に落ちる。



