留衣さんの声や顔は優しかったけど、
何とも言えない威圧感があって……。
あたしはコクコクとうなずくしかできなかった。
「あの、お仕事は……?」
「すぐ終わったんだ。
美味しい水菓子を買ってきたから、皆でお茶にしようか」
「わぁい!
じゃあ、皆を呼んできます!」
美味しい水菓子というフレーズに喜ぶと、
留衣さんから威圧感が消え、いつもの笑顔に戻った。
良かったぁ……。
やっぱり、入っちゃいけないところだったんだ。
「アキちゃんめ!もう騙されないからね!
さ、皆を呼んで来よう」
「にゃー……」
どうやら蔵の地下に入りたかった様子のアキちゃんは、
不満そうな声を出した。



