「何をしてるのかな?」


「きゃあぁぁ!」


ビックリして後ろを振り返ると、留衣さんがそこに立っていた。


「すすすすみません、

アキちゃんが開けろって言うから……」


「驚いたよ。

帰ってきたら、霊力を込めた南京錠が開いてるから。

そんな力があったんだね」


留衣さんは優しくあたしを立ち上がらせた。


「この扉は地下に続いてる。

普通の者には見えないが、多分キミの……

【夢見姫】の血に反応して姿を現したんだろう。

この下には音羽家に伝わる昔の資料がたくさんあるからね」


「資料……」


「見たければ付き添うけど、なるべく一人では入らないようにね。

地下は意外に広くて、迷子になるから」


「ひえぇ……」


特別すぐに見たいものでもなかったので、あたしはアキちゃんを摘まんで外に出た。


もちろん留衣さんも一緒だ。


「今度からは一度許可を取ってね。

貴重品もたくさんあるから」