「そーですよ!あたしは【夢見姫】ですからね!」


にこりと笑って見せる。


「だから……瑛さんの分まで、念じてあげます。

瑛さんが、自由になれるように……」


自分で決められる事なんか、何もない。


ただ定められた運命を生きるだけ。


そんな寂しい事言わないで。


どうしたの?どうしてそんなに弱気になっちゃったの?


見つめていた紫色の瞳が、微かに揺らめいた。


「……違うだろ」


「……え」


「あたしは【夢見姫】なんかじゃない!

って、叫んでたくせに。

それが本心なんだろう?」


「それは……っ」


反論しようとしたら、頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。


「ええっ!?」


「なんだ」


「や、だって、こんな事するキャラじゃないから……」


「……お前がまた、不幸な顔をするからだろう?」


瑛さんは不機嫌な顔で、手を離す。