六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



留衣さんにその日ごとの報告を済ませ、

もう1週間が経とうとしていた。


明日は終業式。

明後日からは、夏休みだ。


瑛さんとは、毎日一緒に登下校し、

アキちゃんを通して霊力で攻撃や防御をする練習をした。


「明日、太一と清良が帰ってくるそうです!

終業式の後、一緒に帰ろうって」


夕飯の後、携帯のメール画面を見て、

瑛さんはそう感動もないらしく、「ふうん」と言っただけだった。


ああ、良かった……。


二人きりだと妙に緊張して、このままだと身がもたないもん。


「そう言えば、教えてもらってないんですけど」


「何を?」


「岡崎一族についてです」



オーリィとの話の途中で『後で教えてやる』と言われたままだったのだ。


「……別に無理に聞いてもらわなくてもいいが」


「いえ、知りたいんです」



瑛さんは微妙な顔をした。