六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



夏の青空のような瞳は、全くぶれずにあたしを見つめるから。


思わず、うなずいていた。


「話を聞くまでは……

約束できないけど」


「ええよ、当たり前やしな。

ヨシ、ほんならしばらくよろしくな、瑛♪」


オーリィが差し出した右手をスルーして、

瑛さんは部屋を出ていこうとする。


「瑛さん……!」


「勝手にしろ。

誰を仲間にするかは、お前の権限だ」


それだけ言うと、部屋へ戻っていってしまった。


「ホンマに愛想の無いやつやなー……」


オーリィが呆れ気味にこぼした。


怒ってるのかな……。

でも、勝手にしろって言ったし。


あぁ、太一や清良が帰ってきたら、説明しなきゃ。


胸に落ちた石は、どんどん大きくなっていく気がした。