「とぼけるのもいい加減にしろ」
部屋の空気がはりつめていく。
オーリィは眉を下げて、あたしの方を見た。
「僕は、まりあの敵じゃない」
「オーリィ……」
「でも、瑛の敵にはなるかもしれへん」
瑛さんの目が細められる。
「それって、どういう……」
「こいつも伊奈と同じように、お前の力を狙ってるという事だろう」
「そんな……」
厳しい言葉に、オーリィはため息をついた。
「まぁ、そういう事やな。
僕も夢見姫の噂を聞いて、この国に来たんやから」
「どこの所属だ」
「……多分言ってもわからんのちゃう?
ホンマ、この国の人等は、よその国の事に無関心やから。
キミはその中でも、一層閉鎖的な一族やからな」
バカにされたと思ったのか、瑛さんが一歩前に出た。
「待って、喧嘩はダメ!」
「チッ……」
「オーリィ、あなたはあたしをどうしようって言うの?」



