六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



「いただきます」


そうめんを茹でただけの昼食を三人ですするのは、とても変な感じだ。


だけどオーリィだけは、意外に上手に箸を使ってホクホクしていた。


「そうめん、初めてや~♪」

ですって。


食べ終わると、早速瑛さんが口を開いた。


「で、何の用だ。

まさか散歩に来たわけじゃあるまい」


「もーまりあ、カレシの教育どーなってんの?」


「オーリィ、カレシじゃなくて、瑛って名前で呼んで」


“カレシ”ではどうにも落ち着かないので、そうお願いした。


「んじゃ瑛、キミにお土産を持ってきたんや」


「は?」


「あのメガネのオッサンの情報や。

知りたいやろ?」


瑛さんの目の色が変わる。


オーリィもいつもの笑顔じゃなかった。


伊奈孝太郎の調査については、留衣さんでさえ苦心してるのに。


「ふふん、瑛、めっちゃ驚くで~」


オーリィはもったいつけて言った。