六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



「あっ……」


玄関の前に、オーリィがいたのだ。


彼はこちらに気づくと、目を見開いた。


「なんやキミ達、いつの間に子供できてたん?」


「こ、子供!?」


「カレシにそっくりやなぁ~

可愛いぃなぁ~♪」


「フーッ!」


オーリィを威嚇したアキちゃんは、元の猫の姿に戻る。


「あ、やっぱり猫ちゃんか。

なんか本当の親子みたいやったで。

妬けてしまうわ」


「ななな、な……っ」


ほ、本当の親子だなんて!


一人でアワアワしていると、瑛さんが冷静に声をかけた。


「何の用だ?」


「なんやねん、命の恩人に向かって、その嫌そうな顔」


「そうですよ瑛さん。

とにかく……皆でお昼ご飯にしましょう」


あたしは火花が散る二人を押して、中に入った。