瑛さんは苦無を捨て、

制服の背中から、短剣を取り出した。


「無駄ですよ。

忍ごときに、私は倒せない」


「それは……どうだろうな!」


瑛さんは短剣を手に、伊奈の懐に飛び込む。


風のように早いのに、伊奈はその剣を、

真言で盾と化したお札一枚で防いでしまう。


「うわぁっ!!」


そうしてる間に、

太一が木の枝を脇腹にうけ、吹き飛ばされた。


木々は次から次に襲いかかってくるのだ。


「太一っ!!」


「まりあ、危ない!!」


太一に駆け寄ろうとしたあたしに木の葉のナイフが襲う!


「くぅ……っ」


「清良っ!!」


あたしをかばい、足を傷つけた清良は、地面に転がった。


「姉ちゃん、清良さん!!」


倒れたあたし達を狙う太い枝に向かい、太一が鷹を飛ばす。


鷹はその攻撃をモロに受け、羽が舞った。


「うわああぁぁぁっ!!」