六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



学校への一本道を走る。


舗装もされてない道の左右には、林がある。


すぐに汗がふきだして、制服が背中にはりついてきた。


アキちゃんはあたしの横を同じペースで走っていた。


そして、学校まであと半分くらいの距離になった時……。


「あっ!」


道の先から、三人が歩いてくるのが見えた。


「まりあ!何してんの!?」


清良が駆け寄ってくる。


「……皆こそ……」


「あたしと太一はどうしてもあんたが気になって……

学校を出る時に瑛にばったり会ったのよ」


「そ……そうなんだ……」


息を整えるのに時間がかかる。


「夢……見て……」


「また?」


「うん……オーリィが……

オーリィが、三人のあとをつけてくる夢を見て……

すごく、嫌な予感がして……」


太一が眉をひそめた。


瑛さんが背後を振り返る。


紫色の瞳が、辺りをにらむように見回した。