六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



「……!」


目を開けると、アキちゃんの紫色の瞳があたしをのぞきこんでいた。


今の夢は……。


オーリィが、皆のあとをつけてた……。


あたしは急いで二階の部屋にあがり、清良の携帯に電話をかけた。


「出ない……」


授業中なんだろう。

太一も瑛さんも出ない。


どうしよう……どうにも嫌な予感がする。


胸のザワザワがおさまらない。


「アキちゃん、行こう!」


あたしが学校に着く頃には、皆が帰る時間になっているだろうけど。


とにかくいても立ってもいられなくて、あたしは制服に着替え、家を出た。