六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



夢の話をすると、皆が険しい顔をした。


「前より具体的な夢を見たのね」


清良が言い、瑛さんがうなずく。


「最近、力が強くなってきたせいだろう。

おそらく、予知夢だな」

「って……。

あいつらに、俺らがやられるって事?」


太一が瑛さんをにらむ。


「……それはわからない。


夢は俺が血を流すところで、終わってるからな。


その後逆転するかもしれないし、

もっと悪い事になるかもしれない。


とにかく留衣さんに報告して、用心するしか……

俺達にできる事はないな」


瑛さんが言い終えると、あたし達は全員うなずいた。


「学校はどうすんの?」


太一が言う。


「皆、行ってきて。

あたしはしばらく休んで家事に専念する」


「でも、まりあ……」


「怖くて、結界の外、出られないから……」


それに、他の皆にはできるだけ普通の生活をしてほしい。


あたしと離れてれば、危険は少ないはずだ。