六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】






ここはどこだろう。



どこまでも続く森に囲まれている。



…………!



太一!清良!



二人とも、傷だらけでうずくまっている。



あたしの目の前には、メガネの男の人が立ちはだかる。



どうしよう、どうしたら……!



メガネの男の人が、あたしに手を伸ばした。



その瞬間――。



パッと、赤い花が咲いた。



!!



赤い花は、血液だった。



だけどあたしのものじゃない……



それは、あたしを守った瑛さんのものだった。



綺麗な顔が苦痛に歪む。



「やっ、あぁぁぁ!!」