「冷たぁ。
おいしいね!」
「うん、たまんね~。
うめ~」
アイスが半分くらいなくなったところで、
あたし達の横を何人かの男子高生が通りかかった。
うちの学校の制服だと思った瞬間、声をかけられた。
「あっ、太一じゃん!」
「おー、何してんの?」
どうやら太一の友達らしい。
「お前こそ何してんの?デート?」
「何だよ、彼女スタイル良いじゃん」
「違う、これ、姉だよ。姉ちゃん」
あたしをジロジロ見ていた彼等は、目を丸くする。
「マジかよ!似てねえな!」
「姉ちゃん、彼氏いるの?」
「あー、うるさいうるさい。
姉ちゃん、行こ」
太一は笑いながら、その場を去った。
彼等は「シスコン野郎」と言って笑っている。
「似てない……かなぁ」
「……いちいち気にすんなよ……」
「うん……ごめん」
姉弟なのに似てない。
そう言われただけで、
あたしと太一の関係にケチをつけられたみたいで、何故か悲しかった。



