「暑いね~……
二人乗り、止めれば良かったね」
前に行ったスーパーは遠いので、あたしと太一は商店街に向かった。
ほとんどシャッター商店街と言って良いほどさびれている。
車があれば、どうしても何でもそろっているスーパーに足が向いてしまうから。
商店街には、本当にパラパラとしか人がいなかった。
太一の自転車の後に乗ったあたしの胸は、
夏の夕方の日差しで汗ばんでしまう。
自転車を止めて歩きだすと、すぐに八百屋さんが見えた。
にんにくを調達すると、その隣に駄菓子屋さんがあるのが見えた。
「太一、懐かしいねぇ。
昔よく来たよね」
「うん、そう言えば。
姉ちゃん、アイス食べよう」
「うん、賛成!」
店の前に出ている冷ケースから、
2つに割れる棒アイスを1つ買った。
太一が上手に半分こしてくれて、
行儀は悪いけど、あたし達は自転車の脇で立ったままそれを頬張った。



