「へぇ~知らなかった!」
というか、弟だから、男の子としてどうかとかは考えた事がなかった。
「気の毒なやつ……」
「えっ?」
「何でもない」
清良は小さなため息をついた。
「とにかく太一も血が繋がってない、男の子なんだからさ。
あまり無防備にしないほうが良いと思うよ」
「えぇ?」
「手繋いだり、部屋で二人きりになったりさ」
「そんな……
太一とおかしな事になるなんて、それこそあり得ないよ」
「あんたはあり得なくても、太一はわかんないでしょ」
清良の顔が意外と真剣で、反論ができなくなる。
「とにかく、太一とまりあも男と女なんだから。
くれぐれも、気をつけなさいよ」
「…………」
気をつけろって、最近あたしそればっかり言われてる。
清良は心配しすぎだよ。
あたしと太一は、何があっても姉弟なのに……。
だけどあたしは黙ってうなずいた。



