六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



「まりあ、僕とつきあわへん?」


すぐそばにあるオーリィの目は、もう笑っていない。


つきあうって……。


驚きで声が出ないあたしに、オーリィは言う。


「まりあのカレシは、まりあの事好きじゃないみたいや。

僕の方が、大事にしたるから」


「……!」


カレシ……。


カレシじゃ、ないよ。


瑛さんは、カレシじゃない。


だからあたしを好きじゃなくて、当然なんだよ。


ただ仕事だから、そばにいるだけなんだ。


「…………」


どうして。


目の前にいるのはオーリィなのに、

瑛さんの顔ばかりが浮かぶんだろう。


どうして。


涙で、視界がぼやけるんだろう。


どうして……。



混乱していると、オーリィが手を離した。


「あ……」


違った。手をつかまれて、離させられたんだ。


あとから来た、その人に。