六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



確かに、オーリィはいつも教室で女子に囲まれている。


「じゃあ日本に住んじゃう?」


「まりあが彼女になってくれるなら、良いよ」


「えっ?」


冗談に冗談で返されて、あたしだけが慌ててしまう。


「まりあみたいな綺麗な女の子、見たことあらへん」


「!!?」


オーリィは甘い声で囁くと、膝に置いていたあたしの手を取った。


思わず見上げると、青い目が私をじっと見つめている。


「や、やだ。日本ではこんな顔普通だよ。

瑛さんになんか、不幸な顔とか言われたし」


「なんやそれ。カレシのくせに、ひどいやっちゃな。

まりあ、ホンマに綺麗やのに」


「またまたぁ……。

でも、ありがとね~。

弟に自慢しちゃおう……」


見つめられて心臓が高鳴ってしまう。


きっと冗談なのだから、軽くかわそうと思ったのに。


「まりあ」


「!?」


自然に、肩を抱かれてしまった。