名前を口にしてしまうと、その綺麗な顔が脳裏に浮かぶ。


いつも冷たくて、意地悪で。


けど、仕事は誰より完璧にしようとしてて。


繋いでくれた手は温かくて……。


「あ゛ーっ!!」


何でこんなに、苦しいの。


もう、やだやだやだ、意味わかんない。


顔をふせて小さく丸まってると、いきなり声をかけられた。


「キミ、泣いてるん?」


「!!」


ビックリして、見上げると。


全く神社に似合わない金髪碧眼の美男子が、

あたしをのぞきこんでいた。


膝にいたアキちゃんは、あたしの背中に姿を隠す。


「あっ、猫ちゃん隠れてしもた」


「お、お、オーリィ……」


「どーしたん、まりあ、こんなところで」


「オーリィこそ……」


やっぱり、見えるんだ。


どうしよう、あんな会議をしたばかりで、どんな顔をしていいかわからない。


オーリィはそんなあたしに関係なく笑う。