……普通でいたかった。
何度も襲われたり、不思議な力を見たりしたのだから、
自分もその仲間入りをするべきだったのかもしれない。
せめて、自分の身は自分で守れるように……。
瑛さんの言う通り、努力するべきだった。
でも。
でもね。
「怖いなんて言ったら、怒られちゃうよね……」
不思議な夢を見はじめても、考えないようにしてた。
もし実のお母さんの予言の通り、
『念じる』だけで何でもできるような強い力が目覚めてしまったら。
夢で、自分の未来が全部見えてしまったら。
あたしは、あたしじゃなくなってしまうような気がする……。
泣きそうになってしまう。
誰も悪くない。
でも、あたしだって悪くない。
「瑛さんの、バカ」
使い魔をこんな可愛い姿にしてくれたのは、
少しはあたしの事を考えてくれたのかもなんて。
思い上がりも甚だしかった……。



