「瑛さん、あたし達に手伝える事はないんですか?」
思わず言ってしまうと、太一と清良もうなずいてくれた。
だけど瑛さんは、腕組みをして難しい顔のままだ。
「ない。
諜報活動は俺の専門だから、任せておけ」
「でも……」
「でもじゃない。
お前は自分のするべき事があるんじゃないのか」
「え……っ?」
瑛さんは相変わらず厳しい目であたしを見る。
「……俺がお前の立場なら、少しでも役に立つ夢を見られるように、
自分の霊力を制御できるように修行するか、簡単な防御の術を覚えるかするがな。
お前はいつまで常人の気でいる?
それともやはり、守られて当然の姫の気か?」
「……!」
頭を殴られたような衝撃を受けた。
当然の事を言われて、言葉が出ない。
「そんな言い方ないだろ!
姉ちゃんはこっちの世界を知ったばかりなんだから!」
太一が大きな声で噛みつく。



