『この前の翼の夢と言い……

本格的に物事が動きだす前兆かもしれないね。

くれぐれも注意するように』


手がかりが少なすぎるのか、留衣さんはそれしか言わなかった。


式神での通信が途絶えたあと、清良が切り出す。


「あたし達も……探ってみる?

オーランド・ロットンの周囲を」


男の子二人がハッとした目で清良の方を向いた。


「清良……」


「どう?瑛」


「…………」


瑛さんは腕組みをして、考えこんでしまう。


「やめようよ、清良さん。

もし変な術者だったらどうする?

返り討ちにあうよ」


「別に殴り込むわけじゃないわ。

家の場所とか、基本情報すら、ないじゃない。

避けるだけじゃ何にもならないわ」


「確かに……。

相手が常人じゃないとわかった以上、情報収集は必要だ。

仕方がない……俺が一人でやる」


瑛さんはきっぱり言った。