『ところでまりあ、力の方はどうだい?

瑛によると夢を見たり、

無意識に結界を解いたりしてるみたいだね』


「あ……でも、全然です。

昨日の朝方も夢を見ましたけど、ひどく断片的で……」


「何だって?聞いてない」


瑛さんは清良をにらむ。


「ちょ、まりあは寝言なんか言ってないから」


一応あたしの予言の記録者の役目も負っている清良は、慌てた。


「そんな、予言なんてモノじゃなくて、ただ……」


『ただ?』


「……怖くて、口にするのがはばかられて……」


良いから話せ、というような目で瑛さんがにらむ。


「この前の夢もそうなんですけど、

あたしは誰かの肩越しに景色を見てるんです。

昨日は、誰かの血が流れているのを見ました。

だけど、誰の血か、どうして流されたのかは、わかりません」


留衣さん含め、他の四人全員が黙ってしまった。