にこやかに挨拶をして、部屋を出ていく。


あたしの背中を見送った清良と太一が、何か話しているのが聞こえた。


内容までは、わからなかったけど……。



「太一、まりあの事はほっときな。

あれは反則だったと思うよ」


「清良さん……。あれって……」


「暗殺がどうのとか、言う必要はなかった。

誰と仲良くするかくらい、自由にさせてやりなよ。

ただでさえ、色々我慢してるんだから」


「清良さんは、心配じゃないの?」


「まりあは大丈夫よ。

あたしはあんたの方が心配だよ。

血が繋がってないって打ち明けてから、あんたがまりあを見る目は……」


「……清良さん!」


「……ごめん。あたしも、余計な事言ったね……」