17歳になったといっても。
何も変わらない。
教室も、授業も。
いつものように授業を受けていると、外では雨が降りだした。
窓際の席だから、すぐにわかった。
ガラスにパタ、パタと水滴が叩きつけられていく。
(良かった、太一の言う通りにして……)
次々に天から雫が落ちてくる様子に気をとられて、
あたしは完全にボーッとしてしまった。
そう言えば、今朝の夢……。
あの、リアルな夢。
知らない男の人に抱きしめられている夢。
(バカみたい……)
実際には、彼氏がいたためしがないし、恋らしい恋も知らない。
人口が少ないこの町では、素敵な人はほとんど相手がいるか、誰かの元カレかだ。
人並みに恋もしてみたいけど。
だからって、積極的に町から出て行動する勇気もなかった。



