「♪♪♪~」
鼻歌を歌いながら、包みを開けると。
「……ん?」
パッキンが詰まった箱の中に、不吉な黒色をした機械が入っていた。
お父さんの電動ヒゲ剃りに似てるけど、ちょっと違うみたい……。
「これは……なに?」
「見てわかんない?スタンガンだよ」
「あぁ、スタンガンかぁ……。
って、えぇっ!?」
衝撃的な単語に驚いて、箱ごと落としそうになってしまった。
クラスメートの視線が一瞬集中したので、あたしは小声で清良に聞いてみる。
「な、何で……?」
「まりあは可愛いからね。
変な男に狙われたら、それを使うのよ。
アンタの家の周りじゃ、防犯ブザーも役に立たないんだから」
えっへんと胸を張って、清良が言う。
た、確かに、防犯ブザー鳴らしても、誰も通らないような田舎だけど。
まぁ……これが清良の心遣いなんだよね、きっと。



