(いない――誰も)
案の定。
秘密の場所には、もう誰もいなかった。
べったりと倒れた草だけが、あのふたりの存在を物語ってた。
そして、この白いリストバンドだけが。
(それを使うとキミはすごく後悔するから)
あの子、悲しそうな目をしてた。
鋭い、きれいな目。
がっしりと抱きしめられたこと、至近距離の真剣な瞳を思い出しただけで、何だか落ち着かなくなる。
心臓がまたバクバク言い出した。
(もう――何なのよ……)
どこに行っちゃったの?
あたしはどうしたらいいの?
使って後悔するって?
こんなただのリストバンドを、何に……
(――ん?)
案の定。
秘密の場所には、もう誰もいなかった。
べったりと倒れた草だけが、あのふたりの存在を物語ってた。
そして、この白いリストバンドだけが。
(それを使うとキミはすごく後悔するから)
あの子、悲しそうな目をしてた。
鋭い、きれいな目。
がっしりと抱きしめられたこと、至近距離の真剣な瞳を思い出しただけで、何だか落ち着かなくなる。
心臓がまたバクバク言い出した。
(もう――何なのよ……)
どこに行っちゃったの?
あたしはどうしたらいいの?
使って後悔するって?
こんなただのリストバンドを、何に……
(――ん?)