そんなやつに恋をした。





「ばーげん?ハーゲンダッツのことか?」

ハガキにはある店のバーゲンが書かれていた模様。
てゆうか、ハーゲンダッツって。
アイスしか考えてないのかよ?汗


「まいっか」


ヒラヒラとハガキを舞わせながらリビングへと戻る。

椅子にあぐらをかきながら座り、アイスにパクつく倉井。
ちなみに倉井は下の名前だ。

「なんひゃひゃってひゃいひゃひゃ?」
訳『なんかやってないかな?』

そういってテレビをつける。



この男−−田倉井(だ くらい)は、仕事をやっていないわけではない。

ニートではない。


「ふあぁ〜…仕事疲れた〜…」

あくびをしながら椅子にぐでんと横たわる。アイスは食べ終わってしまったようだ。


男の仕事は夜。





『人に悪夢を見せること。』





それが男の仕事だった。


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