そんなやつに恋をした。







さて眠っている者にどうやって左目を見せるか。

それは簡単。


やった人もいるだろうが、寝ている時でも眼を開けられる。外からなら。


つまり眼をこじ開け、見せるだけ。


そうすれば起きる。



芹亜の左目も、倉井の右目も脳に影響を与える何かがあるらしい。

それが作用して、倉井は悪夢見せること、芹亜は悪夢から解放することができる。



芹亜の左目は解放するだけなので、悪夢を見ている人以外に影響は無い。

だから隠す必要は無かった。



−−−−−


「昼休みだから戻ってきちゃっ……」
「あ"………」


ばちこーん

そんな音がしそうな勢いで両目が合う。


「ごめん芹亜。今すぐ隠すから……」

そういってチャーハンのご飯粒が付いたスプーンで隠す。


しかし、芹亜はそれを止めた。


「ご飯粒ついちゃうわよ」


そういってスプーンを取り、顔に付いたご飯粒をとった。


「私は大丈夫って分かってるでしょ?」
「あー…うん。ごめん。癖で。」
「謝んることじゃないわ」
「ごめ…ありがとう。」


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