俺の名前は田倉井(だ くらい)。

よく二つ苗字？とか言われるがそんなことはない。立派な名前だ。

だが俺は自分自身を立派だとは思わない。いや、




"思えない。"



というのが正確だろうな。


立派ってのは、人のために何かをしようとすることだろ？結果誰かがそいつを素晴らしいとたたえる。礼もいうな。


だが俺は違う。
というより


俺の仕事は立派じゃない。


立派なんて言ったやつはそれこそ頭狂ってんぜ。



俺の"仕事"。
それは、




『人に悪夢を見せること』



つまり"運び屋"。



な？
立派でも何でもないだろ？

こんな仕事やって誰のためになんだか。
俺も分からない。


悪夢を人へと運ぶから、"運び屋"と呼ばれている。



そしてこの"仕事"には正反対の"仕事"がある。

それは


『人を悪夢から解放すること』


つまり"医夢師"。


これこそ立派だと言えるだろう。

悪夢でうなされる人を解放して安静にしてやること。
だから"医夢師"。

俺にとっちゃ迷惑なんだけど。


でも。





そんなヤツに恋した俺がいる。


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