あと一日でも遅れていたら、本当に騒ぎになっていたかもしれないと思うと、冷や汗ものだ。

 幸い時間のズレは、ロイドがすぐに改善してくれたので、それ以降ずれる事はなくなった。


「今度はちゃんと帰るから、そう言っといて。今から帰るわけにはいかないわよ。準備だってまだしてないんだし」


 結衣がマンションに向かって歩き始めると、蒼太が後ろからついてきた。


「じゃあ、待っててやるから、さっさと支度して」
「ダメよ。明日から予定があるんだから。三十日にしか帰れないの」


 階段を上がり二階にある結衣の部屋にたどり着いても、蒼太は帰ろうとしない。


「ちょっと、どこまでついてくるのよ」
「姉ちゃん連れて帰らないと、オレ家に入れてもらえねーし」
「だったら、車の中で寝たら?」
「ひっでーっ」