ある日のロイドの部屋での一コマ。
無意味にあまあまです。
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「あ……」


 気が付いて立ち止まった時には、すでに遅かった。
 結衣のシャツの裾に引っ張られ、ロイドが部屋の隅に積み上げていた、機械部品や本の山が一気に雪崩を起こした。


「もう……」


 結衣はため息をついてしゃがみ込み、崩れた山を拾い集める。

 ふと気配を感じて振り返ると、すぐ後ろでロイドが、腰に手を当て仁王立ちしていた。


「そこを通る時は気をつけろと何度も言ってるだろう。何回崩せば気が済むんだ」


 しゃがんだままでは首が疲れるので、結衣は立ち上がって反論する。


「あなたがちゃんと片付ければ済む事でしょう? どうして積み上げておくのよ」