「腹ごなしも兼ねて、一緒に歩きましょう」
「どこへ行くんだ?」
「どこでもいい。あなたと一緒に歩いているだけで楽しいから」


 結衣が笑顔を向けると、ロイドも微笑んだ。


「わかった」


 ロイドは答えて結衣の手を握り、商店街へ向かった。

 二人で商店街を歩きながら、時々店先でロイドに帽子をかぶせたり、サングラスをかけさせたりして笑った。

 散々商店街をひやかした後、街が夕日に染まり始める頃、本屋でロイドが見ていた雑誌を買って、二人は王宮に戻った。



 夕食を終えて先に風呂を済ませた結衣は、ロイドが風呂に入っている間、ソファに座って買ってきた雑誌を手に取った。

 まずは表紙の写真を、間近で眺める。昼間、遠目に見た時も思ったが、やはり人間の女性にしか見えない。