結衣の頭をひと撫でして、ロイドは近くの喫茶店に入った。

 ちょうど、おやつ時とあって、店内はほとんど満席状態だった。

 店員に案内されて席につくと、メニューの読めない結衣は、注文をロイドに任せて周りを見回した。

 どう見ても、普通の喫茶店のようだ。

 周りの客たちが食べている物も、ワンピースのケーキか、小さな器に入ったゼリーのような物で、ロイドが満足するほどの甘い物があるとは思えない。

 という事は、甘い物は結衣のためで、自分はいつものように砂糖十五杯の激甘茶だけなのだろう。

 結衣がそういう結論に落ち着いたところで、注文を終えたロイドが話しかけてきた。


「どこか行きたいところはあるか?」
「うーん」


 またしても同じ質問に、結衣は考え込む。