それでリクエストしても、二度と同じものを作ってくれないのか。
 謎が解けて、結衣は一気に脱力する。


「じゃあ。感謝して、いただきます」


 一口食べて、思わず目を見張る。


「おーいしー」


 そして思わず、賞賛の言葉が口をついて出た。


「そうか? 適当に作っただけだぞ」


 適当に作ったにしては、やけにうまい。
 結衣は思いきり敗北感を覚える。
 料理の腕はロイドの方が、完全にハイレベルだ。

 第一、結衣にはホワイトソースの作り方も分からない。
 教えを請おうにも、一期一会では無理っぽい。