二十七年前、ラフルールの南東にある遺跡で、ブラーヌはロイドを拾った。

 当時、遺跡の活動期の事はまだ知られていなかったため、先日の活動期のように、立ち入り禁止などの措置はとられていなかった。

 時々いつもより派手に光を発する遺跡に、興味を持ったブラーヌは、ラフルールの遺跡へ調査に向かった。

 ちょうどたどり着いた時、遺跡が派手に光り、直後ブラーヌが中に駆け込むと、謎の機械装置の側に、ロイドがひとり、呆然と立ち尽くしていたという。

 ロイドは混乱していたらしく、ブラーヌが話しかけた途端、火がついたように泣き出した。

 年齢的にも幼すぎたので、親の名前も住所も分からず、かろうじて自分の名前だけ教えてくれたらしい。

 子供連れで遺跡の調査を続行するわけにもいかない。
 ブラーヌはロイドを連れて街へ戻った。

 警察に迷子として届け、帰ろうとすると、ロイドが足にしがみついた。
 言い聞かせて引きはがそうとすると、泣きわめいて手に負えない。

 困り果てた警察官とブラーヌは、親が見つかるまでという約束で、ブラーヌがロイドを預かる事にした。