横からブラーヌが口を挟んだ。


「ロイドのメシはうまいぞ。ただ、リクエストしても二度と同じものを作ってはくれないけどな」


 がぜん興味が湧いてきた。
 結衣は目を輝かせて、ロイドに詰め寄る。


「私も食べたい!」


 ロイドは眉をひそめた。


「はぁ? 今食ったら昼メシが食えなくなるぞ」
「いい。あなたの料理が食べたいの」
「変わった奴だな。適当なものしか作れないぞ」
「かまわない」
「じゃあ、オレも食っていくか。そこに座ってろ。そいつの相手はしなくていい」


 ロイドはそう言って、テーブルを迂回すると、その奥にある入口の中に入っていった。