「オレのだ。勝手に触るな」


 ロイドがブラーヌの手を叩いて睨む。
 しかし彼は全く動揺することなく、本をめくっている。


「ふーん。女か。おまえ、女の好みが変わったのか? 前はムチムチボイーンが好きだっただろう」


 いつの間にムチムチボイーンじゃない事を見ていたのだろう。
 それとも尻を触っただけでわかったのだろうか。

 どうして血が繋がってないのに、エロっぷりまでそっくりなのだろう。
 結衣はため息と共に目を細くしてロイドを見上げた。


「……そうだったの?」
「どっちかと言えば、そうかな」
「ふーん」


 それで、やたらと太れと言うのだろうか。
 結衣がもの言いたげに見つめると、ロイドはいきなり抱きしめた。