うっかり本音を口走ったら、ユイは益々むくれた。

 そもそも美人かどうかという基準で惚れたわけじゃないんだからいいじゃないか、と言ったところで収まりそうにない。

 途方に暮れているところを、横からランシュがたたみかけた。


「いったいどこで、夢に見るほどの美人と付き合ってたんですか」

「オレの方が聞きたい! 毎日家と局とを往復しているだけだ。いったいどこにそんな美人に出会えるヒマがあるんだ。オレの周りにいる美人なんか口うるさいフェティくらいのもんだぞ」

「副局長?」

「当然ながら、あいつと付き合ったりなんかしてないぞ。頼まれてもごめんだ」


 ロイドが顔をしかめて吐き捨てるように言うと、突然ユイが「あぁーっ!」と声を発した。

 まだ何かあるのかと、ビクビクしながらユイを見つめる。