「ねぇ? モエ」


 モエはキョトンとした表情でランシュを見つめた。


「おにいちゃんがパパになるの?」
「そうだよ」


 途端にモエは嬉しそうに笑った。


「じゃあ、モエがママになる!」
「いや、そうじゃなくて……」


 ガックリと項垂れたランシュを横目に、ロイドはユイの様子を窺う。
 ユイはふてくされたようにロイドを追及した。


「どんな美人の夢を見てたのよ」
「おまえの事じゃないのか?」
「絶対違う。あなた私の事を美人だなんて言った事ないもの」
「まぁ、おまえは美人とは違うからな」
「悪かったわねぇ! 夢に見るほどの美人じゃなくて」